落雷で命を落とす可能性がある

雨の中をバイクで走行する際には、レインウェアなどの雨対策をしていても、それだけで十分というわけではありません。
落雷のリスクがある天候の場合には、バイクでの走行中に落雷の被害にあってしまうかもしれません。
過去には、雷雨の中をバイクで走行していたライダーが雷に打たれ、命を落とすという悲しい事故が複数回起こっています。

バイクには電気を通さないゴム製のタイヤが2本ついており、雷がバイクに落ちてもタイヤがライダーを守ってくれると信じている人は少なからずいます。
しかしこれは全くの迷信で、過去の落雷によるライダーの死亡事故がこの迷信は正しくないことを裏付けています。

迷信の中には、バイクで超高速走行していれば雷からの直撃を回避できるというものもありますが、これも迷信で科学的に立証されたものではありません。
地球という広大な規模においては、ライダーがバイクでどれだけ早く走行したとしても、それは雷にとっては大したスピードではありません。
雷が発生する上空から見れば、ライダーの高速走行は止まっているように見えるといっても過言ではないでしょう。
雷をよけようと高速走行しても、ライダーの落雷リスクは低くなりませんし、それどころか雨の中を高速走行することによる転倒や事故のリスクの方が高くなってしまい、とても危険です。

自動車に雷が落ちても大丈夫な理由とは?

自動車は、金属のパーツで覆われています。
バイクと同じように自動車にも落雷することはありますが、自動車の場合には車体の外側を電気が伝わって地面へと流れるため、車内のドライバーや同乗者に被害が出る心配はありません。

これを、ファラデーケージと呼んでいます。
ファラデーケージとはイギリスの物理学者ファラデー博士が19世紀に発見した仕組みで、金属に落雷のような強い電流を流しても、その内部には電流は伝わらないというメカニズムが立証されています。
自動車の場合にも、フレーム部分が落雷による電流を受けてもそのまま地面に流れるため、中の人間は安全なのです。

しかしバイクの場合、バイクに落ちた落雷ライダーへそのまま伝わるためライダーは感電してしまいます。
タイヤの有無や素材などは、全く関係ありません。
もしもバイクで走行中に雲行きが怪しくなり、落雷のリスクを感じたら無理に運転し続けることはとても危険です。
もしそばに建物があるなら、速やかに建物の中に避難することをおすすめします。

建物がない場合には、木の下などでも良いので、時運よりも背丈が高いものの軒下に避難しましょう。
そうした木なども全くないオープンな場所にいる場合には、地面のくぼみなどに横になることで落雷リスクを最小限に抑えられます。

走行中は落雷にも注意しよう