かつての伝説のバイクメーカー・インディアン
インディアンの始まりは、1897年ジョージ・ヘンディーにより設立された自転車生産会社Hendee Manufacturing Companyです。
アメリカインディアン(American Indian)というブランド名で、後に短縮されて「インディアン」として会社の主要ブランドとなるのです。
エンジニアのオスカー・ヘッドストロームを雇い入れ、本格的にバイクを製作するようになったのは1901年、「インディアンモーターサイクル」はアメリカ初のバイク会社として知られるようになります。
インディアンモーターサイクルの特徴としては、常にスピードを追い求め、レースでも輝かしい記録を数多く残していることです。
1911年のマン島TTレースでは1位から3位まで独占し、これをきっかけにインディアンのバイクは世界に名を轟かせることになります。
1920年頃まで世界最速、世界一の名声を欲しいままにしていたインディアンですが、経営不振が続き、ついに倒産してしまいます。
かつてはハーレーダビッドソンのライバル会社として伝説のバイクメーカーと言われていたインディアンも、1950年代に事業が終了となります。
その後合併や売却、分社化など様々な歴史を経て、ようやく2011年には生産を再開させ、2013年に新型空冷エンジンの開発を成功させて、翌年水冷エンジンが完成します。
何度も復活を試みたインディアンは、こうしてまた表舞台に戻ってきたのです。
インディアンの持つ10年先をいく技術
インディアンが開発したバイクの1号車は、後輪駆動に革ベルトを使用するのが当たり前だった時代に、すでにチェーンを使用、他のブランドの10年先の技術や創造力で業界を驚かせます。
1920年代には750cc、1000ccのサイドバルブ方式を取り入れ、高性能・高品質の代名詞となっており、当時ハーレーダビッドソンよりも高級ブランドとして人気を得たのです。
今もなおファンに愛され続ける「スポーツスカウト」
インディアンの代表格となる名車の1つ、スポーツスカウトは、1934年に発表されたモデルです。
フロント部分にはレース仕様のガーターフォークが採用されており、フレームはキーストン型、無駄な装飾を取っ払ったことで、約195kgの軽量化に成功しています。
これまでの600cc、750ccモデルのスカウトの弱い部分の見直し、改良を重ねて誕生したモデルと言えるでしょう。
こうして当時会社の体制を立て直すために起死回生を狙って誕生したスポーツスカウトは、現在においても熱狂的なファンから愛されるインディアンを代表する名車となったのです。