造船業を営む川崎重工からできたバイク部門

カワサキといえば名車「Ninja」で有名なバイクメーカーです。
バイクシェア的には4大メーカーの最下位となっていますが、独特のバイクの作りと頑丈な作りとで玄人好みをするバイクを販売しています。

カワサキのバイクを作っているのはカワサキモータースジャパンという会社ですが、これは川崎重工株式会社の一部が独立した子会社として開始されています。

川崎重工株式会社はもともと造船業から始めた企業であり、航空機や鉄道の部品や車体を製造してきました。
そのため強いパワーを持ったエンジンを搭載しているというところにカワサキのバイクの特徴があり、やや管理は難しいものの慣れてくるとそれぞれのライダーのこだわりに答えられるようなカスタマイズをすることができます。

反面でオイル漏れなどの不具合が起こりやすいことやエンジンノイズがうるさいということから初心者が乗りこなすには難しいところもあります。

しかしそうした不具合が起こるのはあたりまえ、それを直しながら乗るのがよいというバイク好きにとっては他のメーカーにはない魅力となっています。

川崎重工とカワサキモータースジャパンの概要

川崎重工の創立は1896年(明治29年)とされていますが、それに先立つこと18年前には既に創業者の川崎正蔵は東京・築地で造船の仕事を開始しています。

当時「川崎築地造船所」という小さな工場を作っており、その後に起こった日清戦争により急速に造船需要が出来たことで一気に会社の規模を拡大します。

なお創業者川崎正蔵は鹿児島の呉服屋の息子として生まれており、17歳で長崎に出て貿易の仕事をし27歳で大阪に出向いて海運業を行います。

転機となったのがこの大阪時代に船の積荷が暴風雨のために水没してしまうという事故を経験したことで、その後に携わることになった薩摩藩への海運でも同じように海難事故に遭ったことが自ら造船をするという気持につながったとされています。

川崎築地造船所が起動に乗り始めた頃には既に川崎正蔵は60歳近くになっていたことから、後継者として同郷の先輩であり恩人でもあった松方正義の三男松方幸次郎を指名します。
ちなみに松方正義は1892年より首相となった人物です。

実質的二代目となった松方幸次郎は「株式会社川崎造船」と会社組織を変更し社長として初代社長として就任します。
就任後には造船業だけでなく鉄道車両や航空機事業、海運といったように企業分野を大きく広げてゆきました。

そこから1900年代には大きくなった会社の各部門を独立させていくという動きも加速し、1919年には川崎汽船を、1928年には川崎車輌、1937年には川崎航空機工業を作っています。

1939年には社名を川崎重工とし、複雑多様化する事業を再編しつつ1969年に初のカワサキ製のバイクとなる「H1」を発売します。

カワサキモータースジャパンができたのは1953年(昭和28年)で、川崎重工を株主とする会社として営業を開始しています。

川崎の代表的バイク「Z1」

カワサキを代表するバイクとしてはやはり「Ninja」シリーズが代表的ですが、定番品である「Z1」も同じくバイクファンにとって知っていて当たり前の有名なバイクとなっています。

Z1は1972年に発売されたホンダのCB750Fourを強く意識して作られた車種です。
ホンダCB750Fourは4気筒の750ccという大きな排気量を持つバイクであり、同じ方向でバイク開発を進めてきたカワサキとしては追いつき追い越せということで3年遅れて販売となりました。

比較的性能に強いクセのでやすいカワサキのバイクですが、このZ1は乗りやすく使いやすいタイプであるとしてバイクファンからも高い評価を得ています。

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